OWS事務局ブログ

2015年05月25日

第73回海のトークセッション終了

第73回海のトークセッション「陸が変われば海も変わる 開発行為に伴うサンゴ礁浅海域の変化」が終了しました。
セミナー委員・樋川恭平さんのリポートです。

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P5180002.JPG5月18日の第73回海のトークセッションは、国士舘大学教授の長谷川均先生をお招きして陸域における環境変化が造礁サンゴに与える影響についてご講演いただきました。

赤土の海への流入がサンゴの生育環境に影響を与えているようですが、定量的な因果関係を明確にすることは容易ではないとのこと。しかし、かつて河川流域に広がる水田が上流域から流入する赤土を貯める役割を果たしていたが、水田の減少に伴い、海に流れ込む赤土の量が増えていることは確かなようです。

サンゴの白化というと温暖化の影響がすぐ頭に浮かびますが、別のさまざまな原因もありうることが分かりました。

また、サンゴ移植がもてはやされる風潮について、さまざまな環境要因でサンゴが衰退した海域にサンゴを移植しても、ことの本質は変わらないという視点は強く印象に残りました。


posted by OWS at 12:43 | 海のトークセッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月10日

第72回海のトークセッション「アンモナイトとオウムガイ」終了

第72回海のトークセッションが終了しました。
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セミナー委員・小林和貴さんのリポートです。

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12月9日の第72回海のトークセッションでは、
横浜国立大学環境情報研究院准教授
和仁良二先生をお招きしました。

過去の生き物(アンモナイト)を知るためには、よく似た生き物(オウムガイ)の現在の姿を知ることが手助けとなるようです。

アンモナイトは海に生息していましたが、化石を探すのは山の中。

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これまでの研究で分かってきた類似する生態と異なる繁殖戦略、そして未だに謎に包まれている事柄についてお話をしていただきました。

アンモナイトはオウムガイよりもイカ・タコに近い種類で、面白いことにアンモナイトとオウムガイの一番の違いは殻の形だそうです。

アンモナイトとオウムガイ、これらに詳しい人もそうでない人も
興味を刺激され、驚かされるそんなトークセッションでした。



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2014年10月10日

第71回海のトークセッション「自然誌博物館と市民とのかかわり」終了

セミナー委員の小林さんよりリポートです。

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10月9日の第71回海のトークセッションでは、千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員の奥野淳兒さんをお呼びしました。
博物館の活動を「資料収集・保存」、「調査研究」といった研究施設の面と、「展示」、「教育普及(学習支援)」といった社会教育施設の面から説明していただきました。

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専門とする甲殻類についての興味深いエピソードや質問対応を交え、標本の大切さや新種の発見と命名、そして自然科学の発展には市民の活動も寄与しており、自然誌博物館との双方向的な活動を展開しようとしていることを紹介いただきました。

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普段博物館の方に質問することは少々気後れしてしまうことがありますが、実は私たちにとって学びの機会となるだけでなく、博物館の方にもメリットがあるのです。

有意で会場から笑いが聞こえる楽しいトークセッションでした。


posted by OWS at 10:36 | 海のトークセッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月04日

第70回海のトークセッション「足元から広がる大自然、海藻のある風景」終了

6月3日、第70回海のトークセッションは、海洋写真家の阿部秀樹さんをお迎えしました。

阿部秀樹さん「足元から広がる大自然、海藻のある風景」というタイトルで、
7年間の歳月を費やして取り組んできたという海藻をテーマに
お話しいただきました。

私たち日本人に身近なノリやコンブなど食糧としての
海藻の深いお話しから始まり、海藻と海草の紹介、
海藻に棲むさまざまな生き物や日本各地の美しい藻場の写真などを、
楽しいエピソードを交えながらご紹介いただきました。

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講演の最後のスライドショーは、全国で撮影されたさまざまな海藻の写真で構成されており、
身近にありながらも被写体としてはほとんど注目されることのなかった海藻が、
阿部さんの視点で見事に美しく切り取られていました。

海藻ファンが間違いなく増えたことでしょう。
たくさんの方に、ご来場いただきありがとうございました。



posted by OWS at 18:57 | 海のトークセッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月15日

第69回トークセッション「海と生きる森ともよばれるマングローブ林」終了

M0016914.jpg11月12日は、第69回トークセッションでした。
「海と生きる森ともよばれるマングローブ林」をテーマに、国際マングローブ生態系協会の馬場繁幸さんと
国立環境研究所の井上智美さんのお二人にお話しいただきました。
セミナー委員会の大庭さんからのレポートです。

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馬場さんがお持ち下さったマングローブの種子を回覧するところから始まりました。先生のざっくばらんな語り口に、多くの質問が寄せられるアットホームな雰囲気のトークセッションになりました。

井上さんからは、マングローブの独特な生態についてお話しいただきました。

馬場先生からは、海面上昇で将来沈んでしまう国として知られるキリバスでのマングローブ植樹が紹介されました。海水でも育つその特性を活かして、海岸浸食を防ぐために行われているそうです。

近年では津波被害を軽減する効果も指摘されているマングローブ植物の可能性を知る有意義な時間でした。


posted by OWS at 19:24 | 海のトークセッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月29日

第68回海のトークセッション終了

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第68回海のトークセッションが終了しました。
セミナー委員長の樋川さんからのレポートです。
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今回は、私たちに身近でありながら、意外に知られていないハマグリの生態について中村泰男先生に講演いただきました。

まず、日本でみられるハマグリ、シナハマグリ、チョウセンハマグリの3種の分類について、次に、これまでの実験からハマグリは悪環境にも強いということ、最後は、ハマグリが発射する「ネバ」についての話でした。

東京湾のハマグリは、1960年代初めから数が激減し、2012年には絶滅危惧種(2類)に指定されました。先生のチームは、その原因研究のため、悪環境の大井人工潟で実験を行ったそうです。

その結果、アサリやシオフキに比べ、悪環境に強いことが分かったそうですが、にもかかわらず、何故東京湾でハマグリ激減しているのか?が、現在の研究課題とのこと。
ハマグリの産卵時期である8〜9月初旬は、1年で水質が最も悪化する時期であるため、貧酸素による産卵阻害、浮遊幼生の死滅が原因ではないかと推測されているそうです。

ネバとは、その名の通りハマグリが出すネバネバしたモノ。

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悪環境から逃げ出すために、このネバを広げ、潮の流れを利用して移動すると考えられていたそうですが、調べてみると、悪環境でなくても出していることが分かり、現在は、このネバを使って干潟全般に生息域を広げ、環境が激変した時にも生き残れるようにしているのではと考え、実証する研究に取り組んでいるそうです。

ハマグリのことを「ハマハマ」と呼ぶ先生の話は、ハマグリに対する愛情と人柄が伝わり楽しいトークセッションとなりました。

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posted by OWS at 13:53 | 海のトークセッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月20日

第67回海のトークセッション 終了

5月14日(火)にモンベル渋谷店5Fサロンで開催された、
第67回海のトークセッション
「海洋のプラスチックごみ問題と生分解性プラスチック活用の行方」
の様子をセミナー委員の藤堂さんにリポートしてもらいました。
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今回の講師は、大妻女子大学家政学部で人や環境にやさしい
被服材料(繊維)について教育・研究を行っている、兼廣春之さん。

まずは海洋ゴミとはどんなもので、どのような歴史を経て、現在の
問題が起きているかを解説いただいた。
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今から30年ほど前、魚網やロープなどの流出などによる生態系への
影響が懸念され、現在では海流にのったプラスチックなどの漂着物が
大きな問題となっているとのこと。

大きな懸念として、経済成長めざましい中国で、プラスチック生産が
飛躍的に伸びていることがあるが、日中韓露の情報共有が始まり、
収集・廃棄費用に予算がつくなどの、国際的な取り組みも進んでいる
事がわかった。
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また2年前の東日本大震災における海洋漂流物がどの程度流出し、
どのように各国に漂着するのかなどのデータも公開された。

これまで生産開発されてきたプラスチックは、技術・性能的には優れて
いるものの、自然界では分解できないものである。
これからは微生物が自然に分解してくれる材質で作られた
グリーンプラ製品(生分解性プラスチック)の活用を目指す取り組みが
なされているそうだ。
ところがグリーンプラ製品は、既存製品に比べて高コストで、性能的に
劣るため、なかなか普及が進んでいないところが、目下の課題だそうだ。
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詳細で緻密なお話に時間が足りなくなり、質疑応答の時間が十分取れない
ほどであったが、国際的な問題に対しての、確かな対策の一つであると
感じた時間であった。

posted by OWS at 14:58 | 海のトークセッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月28日

第66回海のトークセッション終了

第66回海のトークセッション「日本の水産業は復活できる!」が
11月21日(水)に自然環境情報ひろば 丸の内さえずり館で開催されました。
セミナー委員の木村さんにレポートしてもらいました。

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今回の講師は、水産加工会社で買付担当されている片野歩さん。

「日本の水産業は復活できる!」と題して、日本の漁業衰退の現状や問題、海外での需要の高まりによる水産物の価格高騰、北欧などの国々ではスタンダードとなっている最新の技術・機械を駆使して行われている資源管理・漁業など、消費者の立場ではなかなか知る機会のない貴重なことをたくさんお話いただきました。

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日本の産業としての漁業復活には、行政を中心とした組織的な大きな働きかけが必要不可欠ですが、ご紹介いただいた海外の事例には、スーパーやレストランで消費者が、きちんと資源管理され生産された商品・魚を選ぶことによって企業や水産業界への取組みを促したものもありました。

トークセッションでも、漁業の仕組み・制度について尽きる事のなく質問が出ていましたが、まずはいち消費者として、身近な事だからこそ何気なく選び、買ったり食べたりするのではなく、その裏側を”知る”ということが、おいしく魚を食べ続けていくためにもとても大事だと感じました。

posted by OWS at 11:23 | 海のトークセッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月22日

第65回海のトークセッション終了

6月20日に一般社団法人JEANの事務局長小島あずささんをお招きした、
第65回海のトークセッション「日本のゴミはどこへ行く?海を巡る私達のごみ」
が終了しました。
今回はセミナー委員会の高松委員にレポートしてもらいました。

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前日の台風の影響が少し残っていましたが
なんのその、会場は満席でした。

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今回の講演者は、一般社団法人JEAN事務局長の小島あずささん
ミッドウェー環礁に流れ着く日本やアジアからの漂着物の話を中心に
私たちが普段使っていて捨てた日用品などが どこへ行き、
どんな問題を起こしているのかという切り口でお話し頂きました。

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スライドに映し出された漂着物。
まるでそこは日本なのでは?と思うほど日本製のものが多く
日本人としてとても複雑な気持ちになりました。

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そこに生息する海鳥の死骸からはプラスチックゴミがほぼ100%出てきて
そのゴミの多くが日本からの漂着物だそうです。

日本の海岸でも同じような事は起きており、私がびっくりしたスライドは
一見きれいな海岸にハマユウが植生しているのですが その地面を掘り
起こすと微細化したプラスチックが まるで貝殻破片のように土に混入し、
厚い層を成しているのです。
それが辺り一面に広がっているのですから回収はほぼ不可能という事でした。
これからは、こうした粉砕し微細化したプラスチックゴミが、大きな問題となるで
あろうと言われているそうです。

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私たちの身の周りのちょっとしたゴミは たとえ海から遠くはなれた場所からでも
風雨などで水路や川へ流れ、海へと至るのです。

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人力の清掃活動だけでは限界があり 根本的な問題の解決のためには
ゴミを出さないような社会の仕組みを作る努力が必要であろうとの事でした。
まずは、多くの人にこの現実を知ってもらう事が 一番大切な事だなと強く思いました。
そして、私自身は一体何が出来るのか考えさせられました。

posted by OWS at 14:58 | 海のトークセッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月04日

特別講演「ミッドウェー環礁の生きものたちを脅かす海洋ゴミ!!」終了

有楽町にある自然情報プラザ丸の内さえずり館で「自然保護区ミッドウェーの
生きものと海洋ゴミ」 企画展を開催しています。(期間5/8〜6/28)
http://www.ows-npo.org/activity/garbage/midway-saezurikan2012.html

その関連講演として5月30日に、横山耕作代表理事による特別講演を行いました。
自然保護区に指定されているミッドウェー環礁の自然と、希少な生きもの達の
保全の様子を紹介し、その生きものたちを脅かしている海洋ゴミ問題の実態を、
昨年6月にミッドウェーで撮影してきた写真を中心に講演しました。

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以下は、セミナー委員大庭さんからのレポートです。

北太平洋に漂う海洋ゴミの海域である「太平洋ゴミベルト」の南端に
位置するミッドウェー環礁では、年間20トンに及ぶ海洋ゴミの存在が
問題となっています。
海岸に漂着するのはそのうちの15トンですが、「誤飲」によるものが
5トンにも達していることが報告されました。

こういった行動は、鳥類が海面に漂っているものをエサと
みなしてついばむことによって起こるだけに、深刻な問題です。
 
実際に、死亡したアホウドリのヒナの胃内容物の70%近くが、こういった人工物でした。

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そのほか水中に放出された魚網が生物に危害を及ぼす「ゴーストフィッシング」や、
漂着したライターの発生地をつきとめようとする「ディスポーザルライター」調査に
ついても合わせて紹介されました。
 
会場にお越しいただいた方々にとっても、初めて聞かれる話が多かったようでした。
 そのため、問題意識を持った質問が寄せられていました。(大庭)

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posted by OWS at 14:03 | 海のトークセッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする